アジレントのマイクロアレイは、1色法または2色法の実験デザインが可能ですが、あなたの研究にはどちらを選ぶのがよいでしょうか?
GSE27183 は1色法と2色法を同時に行っているので、参考になるでしょう。
1色法のメリット
- コストが安い
- 実験デザインが柔軟で、複雑な研究も可能
2色法のメリット
- 1色法で2サンプルを比較するより、発現差を検出する点において感度と精度が高い。
ただしこれは、2つのサンプルを直接比較する場合においてだけであって、共通リファレンスを使った場合はあてはまらない。
また、2色法の場合、実験デザインが非常に複雑になりがちです。ここでも、次の4ペア(8サンプル)は、どうやらCy3とCy5のラベルが間違っているように見えます。 (GSM671801, GSM671802, GSM671805, GSM671806, GSM671821, GSM671822, GSM671845, GSM671846)
Dye Swapにより、PPM1Gのプローブは、染色(Cy3 または Cy5)の影響を強く受けているようだということがわかります。しかし、そのような影響はほぼ無視できるもので、すべてのサンプルをDye Swapするコストに対するメリットは、非常に小さいように思います。そのような影響を調べたい場合は、2~3ペアでDye Swap実験をすれば事足りるでしょう。
結論
もし、ものすごくわずかな変動を非常に正確に測定したい場合は、2色法による直接比較は選択肢となります。
しかしそのような特殊なケースを除いて、1色法の簡便さにまさるメリットが2色法にあるとは思えません。
Data Source
Gene Expression Omnibus (GEO)