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P値は、生物学にとってそれほど重要ではない

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Statistics

経験の浅い人ほどP値を過信する傾向がありますが、P値を上手に使うためにはバランスの取れた視点が必要です。P値は物差しの一つでしかありません。 まず、P値とは何かを正確に知るべきです。統計学的有意であることと、生物学的有意であることの間には、なんの関係もありません。下記のStatementをよくご覧ください。 AMERICAN STATISTICAL ASSOCIATION RELEASES ...

オミクスデータ解析を学ぶ、効率的な方法とは?

Technologies and analysis layers

たとえば、授業や講習会でRNA-Seqやマイクロアレイのデータ解析を学ぶとします。ほとんどの場合、解析必要なツールやデータを揃えてセットアップしたり、生データを処理するところから始まります。そこからデータ処理をして、統計解析、生物学的解釈と進んでいくでしょう。いちばん大事なのは最後の生物学的解釈のところなのですが、ここにはあまり時間が割かれません。その前のたいして重要でもないところに多くの時...

なぜ bulk RNA-Seq の解析にはPCA、シングルセルRNA-Seqの解析には t-SNE が使われるのか?

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FAQ

t-SNE がシングルセルRNA-Seqのデータ解析でよく使われるようになっています。しかし、「なぜbulk RNA-SeqにはPCAで、scRNA-Seqにはt-SNEか」という説明をいくら読んでも、個人的には納得できる説明が見当たりません。 高次元のデータを可視化するt-SNEの効果的な使い方 という説明が t-SNE とは何かを知るのに最適だと思いますので、ここで述べられている特徴を見...

なぜ遺伝子発現データにZ-score Normalizationを使うべきでないのか

FAQ

お客様から「Z-score Normalizationはできますか?」や「なぜZ-score Normalizationを入れないんですか?」と聞かれることがあります。このような質問をする人は、おそらく古い教科書を持っていて、その指示通りに解析をしたいのだろうと想像します。 しかし、もはやZ-score normalizationは使うべきでないいうのが私たちの考えです。その理由を説明します。

オミクス実験は、非線形バイアスの問題を逃れられない

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Trouble Shooting

オミクスデータは、実験日、実験者、実験室、機械、試薬またはもっと微妙な何かの差の影響を敏感に受けます。 従って、オミクスデータは純粋に真実を反映しているのではなく、何らかの非線形系統誤差が必ずかかっているものと見做すべきです。 比較(あるいは解析)可能なのは、同質の系統誤差がかかっている(以降、"同じタイプ" と言う)のサンプルの間だけで、異質の系統誤差のかかった(以降、"異なるタイプ" と...

良い研究は、優れた実験計画から。

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Trouble Shooting

1. 実験区とN数の割り当てこそ、工夫のしどころです。 予算・時間・人員が無尽蔵に使えるのであれば、理論上最適な実験計画を策定すれば済むことなのですが、現実世界には様々な制約があります。 マイクロアレイやRNA-Seqでいちばんネックとなるのは予算でしょう。 統計学が想定するサンプル数に対してオミクス実験のサンプル数は少な過ぎるので、統計学的要求に闇雲に従うのは無意味です。 私たちの解析経験...

P値のあやまった使い方をやめるとき

thinking

学会において「統計学的有意差」や「P値」が幅を利かせるようになってから、この10年で実験データと観察されたこと、そしてそこから派生する理論がぐちゃぐちゃになっていると感じており、そのような流れにはどめをかけたいという思いでわたしたちはSubio Platformを開発し、無料で提供してまいりました。 そして、統計学的有意差とP値に関する声明が統計学者の団体から発表されました。わたしたちは、科...

Subio Platformで、TCGAのsomatic mutationデータも解析できますか?

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FAQ

TCGAはがん患者から得られた様々な種類のオミクスデータを提供しています。Subio Platformは、基本的には量的データを解析するためのソフトウェアで、変異のような質的データを解析するためのものではありません。TCGAのSomatic mutationデータは、MAFフォーマットのファイルとして提要されていて、これはエクセルを使って解析できます。 MAFフォーマットは下のような列を持っ...

T検定がなぜ理論的には使えないのか、そして、それでもなぜ実用には使えるのか

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Why t-test doesn't work theoretically

ほとんどの方が発現差のある遺伝子群(DEGs)、つまりあるグループで高発現していて、もう片方のグループで低発現しているパターンを示す遺伝子群を探そうとします。しかし、このような遺伝子が原因遺伝子であるのは、下記のモデルのうち single factor model でしかなく、これは高度に複雑な生物現象の中では極めて稀だと思います。それ以外の下記のようなシンプルなモデルにおいて、遺伝子発現が...

同じ遺伝子で、Measurementが複数ある場合があります。なぜですか?

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FAQ

オンチップ レプリケート マイクロアレイではよくあることですが、同じプローブがスライド上に複数回スポットされていることがあります。これをオンチップレプリケートと呼び、Subio Platformのデフォルトでは、測定値の中央値をSignalとして採用します。 同一遺伝子に設計された複数のプローブ また、これもよくあることですが、同一遺伝子に複数のプローブが設計されていることがあります。これは...